生産・環境生物学のすすめ
生産・環境生物学専攻は食を中心に衣、住など私たちの生活に密接に関連した分野について、健康で快適な生活の実現を目指した研究を行っています。対象とするのは、コメやコムギなどの穀類、野菜や果物、衣の原料となる生糸を生産する蚕、これらの生産に関係する微生物や昆虫、また私たちの住環境に不可欠な花や庭木などです。私たちは、食糧問題など生物の生産や利用に関わる問題の解決のために研究をするという立場を大切にし、分子から個体、そして個体群までの全てのレベルの研究を行っています。
全世界の人口は60億人を越え、今世紀半ばには90億人に達すると言われています。また、現在8億人が栄養不足に悩んでいます。一方、我が国の食料自給率は40%と先進国中最低で、多くの食料を海外の国の生産に依存しています。また、温暖化などの影響により取り巻く環境は年々悪化しています。このため、21世紀の食糧を確保しつつ快適な生活を実現することは人類の重要な課題です。多くの若い人が生産・環境生物学専攻の研究に興味を持ち、人類の将来を切り開く技術を開発する力になってくれるよう希望します。
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