先輩たちの声

応用生物学専修から農林水産省に入ろう

応用生物学専修卒業 農林水産省 松本真歩

 「食べものを生産し、食べる」という最も基本的な営みを、環境と調和した持続的なものにしたい―。そんな想いを駒場時代から抱いており、応用生物学専修に進学しました。修士課程では農場で自然農法の物質循環の研究をしましたが、将来は生産や流通のあり方を国家あるいは世界レベルの広い視野で見直す、スケールの大きな仕事がしたいと思い、農林水産省に入省しました。

 農林水産省では、法律や政治を専門とする事務系職員と農学系の専門知識を持つ技術系職員が協力して農政を動かしています。施策立案や基準作りの場面で、農業特有の技術的知識は不可欠で、技術系職員の役割は重要です。応用生物学専修で修了する内容は、まさに農林水産省の技術系職員に求められる知識そのもので、そのカリキュラムは公務員試験の「農学」にストレートに対応できます。農林水産省には学卒・修士卒を問わず、応用生物学専修の卒業生が大勢います。

 また、農林水産省では、所管の試験研究機関では、前述の技術系行政職員とは別に、研究者も採用しています。応用生物学専修から博士課程まで進んで、研究職で活躍するという選択肢もあります。

 このように、農林水産省では応用生物学専修で学んだことを活用できる場がたくさんあり、応用生物学専修の卒業生が毎年のように採用されていることを大変嬉しく思います。

 皆さんも、応用生物学専修から、中央官庁で農政立案を志してみませんか。


環境系シンクタンクが注目する農学部生の「現場力」

応用生物学専修2010年卒業 みずほ情報総研株式会社 大山祥平

 私は高校生の頃から興味のあった環境問題に対して、農学的なアプローチで解決に取り組みたいと考え、応用生物学専修に進学しました。学部では中国の塩類集積土壌における作物栽培を研究しましたが、卒業式直前の2011年3月に東日本大震災、そして福島原発事故が起こりました。そこで、修士課程からは福島県における稲の放射線被害に関する調査を行いました。実際の農家の水田をお借りした現地調査と研究室での栽培実験を繰り返し、稲の放射線量に影響する要因についての修士論文を纏めました。

 卒業後は、より広範な環境問題の解決に貢献したいと考え、シンクタンクの環境専門部署に就職しました。就職活動の面接時には、実際の現場に赴いて研究を行った経験を高く評価して頂くことができました。現在は新エネルギー(再エネ、水素等)に関する調査研究業務を行っていますが、調査は机上だけで完結するものではなく、常に顧客や有識者とのディスカッションを通じて最新の情報を仕入れることが求められます。このような場面で、修士時代に他専攻や他大学の先生方と協業した際の経験が活きています。

 これまで、環境系シンクタンクでは理学部や工学部の出身者がほとんどでしたが、近年では農学部出身者が増加傾向にあります。環境問題の解決のために、個人や組織レベルでの着実な取り組みが求められる今、農学部生が持つ「現場力」が、シンクタンク業界でも求められています。将来環境問題に携わりたいと考えている方、応用生物学専修への進学をその第一歩にしてみてはいかがでしょうか。


生物多様性のための国際条約で働く

緑地環境学専修平成10年度卒業 生物多様性条約事務局 守分紀子

 私は平成12年に環境庁(当時)に技術系職員として入庁しました。以降、国立公園の計画や保護管理、環境アセスメントの審査、野生生物保護の国際協力など、自然環境保全分野での業務を担当してきました。

 現在は環境省からの派遣により、カナダ・モントリオールにある生物多様性条約事務局で勤務しています。本条約は、生物多様性の保全とその持続可能な利用、遺伝資源から生じる利益の公平な配分を目的とし、現在日本が議長国を務めています。条約事務局では、途上国の能力向上の支援や条約に関連した情報の収集・提供、他の国際機関との連携協力等を行っています。多様な国籍や経歴を持つ同僚と仕事ができる環境は大きな魅力です。

※ 現在は環境省からの派遣により、国際連合大学サステイナビリティ高等研究所に勤務。本内容は生物多様性条約事務局勤務中に執筆されたものです。