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応用生物学領域大講座

応用昆虫学研究室
Laboratory of Applied Entomology

 スタッフ
  • 教授 石川 幸男
  • 准教授 松尾 隆嗣
  • 助 教 星崎 杉彦
  • 特任助教 藤井 毅

 主要な研究テーマ
  1. 同定困難な昆虫種群の、形態、フェロモン、寄主特異性、遺伝子の総合的比較による系統解析
  2. 昆虫特異的な「休眠」を誘導・覚醒する生理学的機構の解明
  3. 昆虫の「性」を操作する共生微生物

 研究内容
 昆虫はきわめて多様化した生物であり、全動物の種の70%以上、およそ100万といわれる種に分化している。分化のおもな要因は昆虫と環境との相互作用にあり、さまざまな環境変動が一部の昆虫を絶滅に追いやると同時に新たな昆虫を誕生させてきた。ヒトによる急速な環境改変も短期間に多くは「害虫」とよばれる系統や種を出現させた。分化が生じた要因と道筋をたどる謎解きは、昆虫が繁栄できた理由を明らかにすると同時に、新たな害虫制御技術の開発に重要な示唆を与えるだろう。
 近年発展した分子系統学の手法はDNAの構造比較から客観的に系統関係、つまり分化の筋道を指し示してくれる。しかし、多くの場合、分化の要因は実際に生理生態的な特性を比較してみなければわからない。応用昆虫学研究室では識別困難な害虫の種群や系統群を対象に、分子系統学的な解析を進める一方、これらの分化に重要な要因である生理生態的特性、すなわち、寄主選好性、配偶行動、休眠性などにも注目し、これらを制御するフェロモンやホルモンなどの化学構造、生成・分泌機構を比較解明している。さらに、最近明らかにされてきた昆虫共生細菌による昆虫の「性」関連形質の操作にも注目して、とくに共生細菌の振る舞いが昆虫の種分化にどのような影響をもちうるかの検討も行っている。
以上の研究結果を総合することにより、分化の道筋と要因があぶりだされ、進化の実態に迫ることができるものと期待している。また、これらの成果は、新世紀の害虫制御技術の基本となる「総合的害虫管理(IPM)システム」の構築と実践にもきわめて有効な知見を与えることができる。


写真:日本産アワノメイガ類8種およびヨーロッパ産のヨーロッパアワノメイガ(NUB)左が雄で右が雌。
PALとLATを除いて、形態では識別が困難。

(写真をクリックすると拡大します)

 連絡先
  • 石川教授
    TEL:03-5841-1851 
  • 松尾准教授
    TEL:03-5841-5060 
  • 星崎助教
    TEL:03-5841-5093 
  • 藤井助教
    TEL:03-5841-5062 

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